No.91懐かしの「小学校集団予防接種」
2021.07.29
このコーナーは「ひよっこ通信」と称して職員が何気なく日常的な想い、考えをざっくばらんに述べる場所であると自分は理解している。高齢者枠に属する小生が何も“ひよっこ”ではあるまいが、おつむの中身が“ひよっこ”であるから致しかねない。
前置きはともかくとして、新型コロナワクチンの接種で、表題のことがふっと頭によみがえった。
それは、懐かしくも強烈な思い出だ。正真正銘の“ひよっこ”である小学生にとっては・・・。
集団接種は、日本脳炎、BCG、風疹、混合ナンチャラ等々、頻繁にあったと記憶する。
低学年のちびっ子が、行儀よく順番の列をなし緊張し恐怖にかられ、今にも泣き出しそうな光景がそこにある。
「痛かった?」と順番が自分に近づくにつれ注射の終わった友達に聞いたりしている。
今の若い人には解らないであろう。
そう、この強制的な集団予防接種が続いたのはわずか11年間で、1987年には保護者の同意を得た希望者のみに代わり、1994年には義務的予防接種が接種勧奨となった。集団接種から個別接種へと変化したのだ。
そして上記のような「痛かった?」と恐れおののくような問い掛けが無くなってしまった。
新型コロナワクチンの集団接種で、前にいた老人に「痛かった?」と聞く人はいるまいと思うが、そんな光景に出くわしたらおもわず吹き出してしまうであろう。
ところで、ある資料で興味深い記事があった。なんでも集団ワクチン接種があった時代のインフルエンザによる高齢者の死亡率は低い数値を維持していたが、小中学生の集団ワクチン接種がなくなると、高齢者の死亡率は増加したそうだ。
つまり小中学生の集団ワクチン接種は、自分自身がインフルエンザに罹ったり、症状が重症化したりするのを防ぐだけではなく、インフルエンザによって亡くなることのある高齢者の発症や重症化を防ぐことにもつながっていたのだ。
このことからワクチン接種は個人だけでなく社会全体を守っていたことになる。
今、若者を中心に新型コロナの感染が広まりつつある。
一刻も早い若年世代のワクチン接種を望む。