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No.80雑草という草はない

2021.03.01

雑草という草はない

今年は暖冬ということもあり、道端や川の土手で小さな花をつけ始めた野草を見つけられるようになりました。
目立たないので雑草として普段気にかけることもないかもしれませんね。

なかにはコンクリートの裂け目や石垣などの隙間から芽吹いて花開いている草もあります。窮屈そうな場所でも健気に生きている姿を見るとガンバレよと応援したくなります。
もっとも、当人(雑草)にとっては案外快適な環境のようです。
なにしろ一度根付いてしまえば競争相手がおらず、日光が独り占めできます。雨が降れば周囲に降った雨水が裂け目や穴に流れ込んでくるのですから。

「雑草という草はないんですよ。どの草にも名前はあるのです。どの植物にも名前があって、それぞれ自分の好きな場所を選んで生を営んでいるんです。」
これは昭和天皇が当時の入江侍従長に語った言葉といわれています。

農家やガーデニング愛好家には作物の敵として嫌われる雑草ですが、よく見ると意外にかわいらしい花を咲かせるものがあります。
今日の散歩中にみつけた野草をいくつかご紹介します。

<ナズナ> アブラナ科
春の七草の1つで、直径3mmくらいの白い花が咲きます。果実の形がしゃみせんのバチに似ていることから、「ぺんぺん草」とも呼ばれます。やわらかい若葉はおひたしにして食べられます。
歩道のアスファルトの割れ目に生えていました。

<ハハコグサ(母子草)> キク科
道端や畑などに見られる小型の草で、全体が白い綿毛に包まれていて白っぽく見えます。つぶつぶとして細かい黄色い花が集まって咲き、金平糖のようです。春の七草の1つ、ゴギョウでもあり、乾燥させたものをお茶にして飲むことができます。
近所の駐車場の隅っこで見つけました。

<カラスノエンドウ> マメ科
マメ科のつる性の草です。葉の先端は巻きひげになっていて、これで何かにからみ付いて伸びます。葉といい花といい野菜のエンドウをミニチュアにしたような姿ですが、食用にならないのが残念。

<オオイヌノフグリ> オオバコ科
川の土手の斜面など陽当たりのいい場所で、コバルトブルーの小さな花を咲かせます。ひとつひとつの花はとても小さくかわいらしい花ですが、地面一面に青い花が広がる様子はとても美しい光景です。

天気の良い日には気晴らしも兼ねて外に出かけ、道端や公園に生えている草花を探してみてはいかがでしょうか。
春の訪れの気配を感じられることでしょう。