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No.79女性の時代

2021.02.01

女性の時代

2020年度の中央競馬について、記載したいと思う。
2020年度は競馬もコロナ禍に見舞われ大変な1年であったが、無観客開催という形で続けられ、終わってみれば歴史的な記録が数多く出された記録的な1年となった。

1、史上8頭目の三冠馬の誕生
三冠馬とは3歳の牡馬(男馬)のクラシックと呼ばれる皐月賞、日本ダービー、菊花賞を勝った馬に与えられる称号であり、今年、コントレイルが無敗で達成した。無敗での三冠馬は史上3頭目であり、そのうちの1頭はコントレイルの父、ディープインパクトである。すなわち、父子そろっての無敗の三冠達成という史上初の大記録が生まれた。

2.史上初の無敗の牝馬三冠馬の誕生
牝馬三冠とは、3歳牝馬(女馬)のレース、桜花賞、オークス、秋華賞を勝った馬に与えられる称号であり、デアリングタクトが史上6頭目の栄誉に輝き、無敗での達成は史上初の快挙であった。

3.芝GⅠ最多勝記録の達成
アーモンドアイが天皇賞(秋)に勝って達成。従来の記録は7勝で、シンボリルドルフ、ディープインパクト、ウオッカをはじめ6頭いたが、この壁はなかなか超えることができなかった。しかし、今年、アーモンドアイ(2018年度の牝馬3冠馬)が天皇賞に勝ち、ついにこの記録を打ち破った。

4.上記3頭どの馬が一番強いのか?
上記3頭がそれぞれの記録を達成した直後に、ジャパンカップで夢の対戦が行われた。
結果は、大接戦であったが(3頭以外にも15頭の馬が出走した)1位アーモンドアイ、2位コントレイル、3位デアリングタクトとなり、アーモンドアイが記録をさらに更新する芝GⅠ9勝目をあげ、その年の最も活躍した馬に与えられる年度代表馬の栄誉に輝いた。

5.その他、私が注目した歴史的な記録
この3頭の素晴らしい結果は当然であるが、私は別のある記録に注目している。
牡牝混合GⅠ(注:基本的に3歳の秋までは牡馬、牝馬、別れてレースをするが、3歳の秋以降は牡馬と牝馬は同じレースに出走する)の10戦中、なんと牝馬が9勝したのである。そのうち、年末の有馬記念をはじめ4つのGⅠが1,2着とも牝馬同士の決着であった。今までが最高は2008年の5勝が最多であり、2000年代半ばごろまでは、牝馬は牡馬にまったく歯が立たないケースがほとんどであったから、時代が本当に変わった象徴的な出来事である。

6.なぜ、牝馬がこれほど強くなったのかという疑問
日本競馬の育成システムは格段に進歩したので、日本馬全体が強くなったのは理解できるのであるが、牝馬だけがなぜこのように勝てるようになったのか、興味深い事象であるので色々調べてはいるのであるが、納得できる答えは自分自身見いだせていない。
今年は無観客であったので、歓声がない静かな状態では牝馬のほうが能力をより発揮できるということはひとつの仮設としてあげられるが、真相は不明である。

そこで、人間はどうなのだろうとふと考えた。

人間のスポーツ競技はほとんどが男女別種目での実施であるため、競馬のようにはっきり結果にあらわれることはないが、実は男女の差はすでになくなり、ひょっとすると女性のほうが優位になっている競技があったとしても、何ら不思議ではないのではと感じている今日このごろである。