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No.36言葉選びは大人のマナー

2018.12.28

言葉選びは大人のマナー

みなさんはお笑い番組をご覧になりますか?年末のこの時期になると、多くの漫才師の中から選びぬかれた数組がファイナルステージで戦う、そんなテレビ番組があります。彼らは言葉遊びのプロですが、単に言葉選びだけでなく、その言い方、間のとり方、体の姿勢や表情などを最大限に駆使し、お笑いを届けてくれます。

しかし、そんなプロ中のプロでさえ、言葉選びに失敗して、「笑う」という気持ちを一瞬にしぼませてしまうほどのミスを犯してしまいます。単に「ネタがつまらない」というのではなく、たった一言の言葉のせいで「笑う気持ちにならない」、要は「気持ちが冷めてしまう」のでした。審査員の人に、この点を指摘されていましたね。
この審査員と同じ感覚であることに私はとても安心しました。

私達は言葉遊びのプロではありません。しかし、社会人である以上、同世代の人たちだけではなく、老若男女問わず、多くの人たちと意思を通わさなければならず、そのために適切な表現というものがあります。

以下の話は実際に聞いた話です。

舞台は不動産会社です。不動産会社は自分たちが所有している不動産を運用しているだけでなく、他の者(オーナー)が所有している不動産を代理で管理することで運営しています。後者は、たとえば、入居者から振り込まれる賃貸収入をオーナーに代わって管理することで手数料を受けることを意味します。

さて、そんな不動産会社に勤務しているA君はオーナーであるBさんに対して、とある提案をしました。Bさんが所有する不動産は賃貸アパートであるため、空き部屋が出ると困るわけです。そこで、空き部屋がでないよう、でてしまっても直ちに埋まるように、次のように提案しました。

A君 「Bさんの賃貸アパートなんですが、もう古いんでリフォームしませんか?」

みなさんはA君の会話に違和感を覚えますか?それともなんとも感じませんか?
この話をしてくれた私の先輩は、この後輩にはとても手を焼いているそうです・・・

また別の話です。
ここ数年の表現として、上司や先輩から食事やお酒に誘われたときの断り文句、「いや、大丈夫です」・・・

単に断りたいのならば、多少は嘘をついて「用事がありますので・・・」といえばいいのです。
しかし、これを「大丈夫です」と応えた場合、今度は「何が?」と聞き返したくなりますね。何が大丈夫なのでしょうか?

思い切って「気を使っていただなくても大丈夫です」と応えてみてほしいものです。
この言い方に違和感を覚えますか?それともなんとも感じませんか?

また別の話です。他人のことをどのように表現しますか?
たとえば、年下が年上に、あるいは部下が上司に、「あなた」と表現することは適切だと思いますか?
「あなた」という言葉は「おまえ」よりも丁寧で大人っぽい表現だ・・・という程度の理解で「あなた」と口に出すべきではありません。
明らかに年下の女の「子」が明らかに年上の男性に「あなた」と言ったとき、私はぞっとしました・・・(あえて「子」と書いているところを感じていただきたいです)

大人の社会はある意味、怖いものです。誰も注意してくれません。
学生時代は両親に怒られ、先輩に罰を与えられて、いろいろな社会性を身につけます。

ところが、大人になるとそこまで面倒をみてもらえません。
そこまで踏み込んでくれないのです。無関心といってもいいかもしれません。
しかし、感じている人はいます、それを言わないだけなのです。。。
何気ない一言で相手の気持ちを一瞬に冷やすことがないよう、気をつけたいものです。