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No.173令和8年度税制改正に関する建議書について

2025.08.29

令和8年度税制改正に関する建議書について

先の参議院選挙では、消費税の引き下げが1つの大きな争点ともなって、与党は大敗しました。今後の税制改正で消費税がどうなっていくのか、選挙の結果を現実の政治はどう受け止めるのか、注目されます。
ところで、税理士法第49条の11には、「税理士会は、税務行政その他租税又は税理士に関する制度について、権限のある官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる。」とあり、法律にその権利が認められていて、毎年、日本税理士会連合会は「税制改正に関する建議書」を公表しています。
今回は、先日決定された「令和8年度税制改正に関する建議書」について紹介させていただきたいと思います。

まず、「はじめに」には、以下のような記載があります。
「税理士は、税務に関する専門家として常に納税者と接しており、決算や申告業務を通じて、税制が納税者ひいては国民に与える影響をよく知る立場にあり、かつ、税務行政の現場についてもよく理解するものである。したがって、税理士が、職業専門家として税制・税務行政の改善のために建議することは、我々の重要な役割である。
さらに、わが国が直面する政策課題に対し、税制がどうあるべきか、あるいはどのような対応策を講ずるべきかを検証・検討し、その結果を表明することも、我々の役割であると考える。」
税理士は、国と国民の両方をよく知る立場から、税制がどうあるべきか、どうするべきかについて、真剣に考えています。

次に、「公平・中立・簡素」が重要とされる税制に対する基本的な視点について、以下のように触れています。
(1) 担税力に即した公平な税負担
(2) 中立的で簡素な税制
(3) 合理的な事務負担
(4) 時代の変化に適合する税制
(5) 税務行政の透明性と適正な手続
どれも大事な項目ですが、特に最近の年末調整等においては、税制が複雑になってしまって、過度な事務負担が課されているのではないでしょうか。

最後に、今回の建議書における重要建議項目は以下のとおりです。
1.消費税の複数税率制度を廃止し単一税率制度に戻すとともに、インボイス制度導入に伴う各種特例措置の延長等といった中小・小規模事業者への必要な支援を継続すること。
2.役員給与税制について見直しを行うこと。
3.中小企業者等の法人税率の特例の適用期限について延長すること。
4.雑損控除の適用につき「特定非常災害により生じた損失」については、控除の順番を見直すとともに、繰戻還付制度を創設すること。
5.所得税の確定申告期限を延長すること。
6.少子化対策について、税制面での検討を行うこと。

(ほかの内容も含め、詳細については日本税理士会連合会のホームページにおいて公開されていますので、是非そちらをご覧ください。)

税理士からの建議は、既得権の維持や業界への利益誘導ではなく、日々税理士が接しているひとりひとりの納税者・事業者の皆さまの声が集まった結果だと思いますので、これをご覧になった方には、小難しい税制が少しでも良くなるよう、近くの税理士に話をしていただければと思います。

よろしくお願いします。