No.169マッサージチェア
2025.06.25

2月3月は個人確定申告、4月5月は法人の3月決算の申告が忙しく、6月は少しホッと出来るかと思いきや、法人の株価評価が舞い込んできて日々忙しい日が続いている今日この頃。
近頃の楽しみは、日曜日にショッピングモールのマッサージチェアでマッサージを受けることです。
ショッピングモール3階の通路と通路を結ぶ広場のようになっている連絡通路の間に4台のマッサージチェアが並んで置いてあり、1回300円で12分のマッサージを受けることが出来ます。
そこには、3種類のマッサージチェアが色々な場所に配置され、100円のマッサージチェアは昔の銭湯においてある四角い形で腰だけマッサージしてくれるタイプのもの。200円のマッサージチェアは肩や腰だけでなくふくらはぎもマッサージしてくれ、100円分グレードが上がります。300円のマッサージチェアは足の裏や腕までローラーや空気圧でマッサージしてくれ、チェア自体が航空機のビジネスクラスのような横になった形となり最上級のマッサージを受けることが出来ます。(実際のビジネスクラスに乗ったことはありませんが・・)
最初は200円のマッサージチェアに乗っていましたが、300円のマッサージチェアに乗ってみたら、こちらの方が断然良くなり、今では300円一択となりました。
50を超え、腰や背中の肩甲骨が慢性的に痛くなってきたこともあり、想像以上に気持ちが良く、かなり重宝しています。
(マッサージで痛みが改善されることはありませんが、乗っている時間は快適な気分にさせてくれます。潔癖症の方は難しいかもしれない・・)
このマッサージチェアは、料金投入口がチェアの脇に設置してあり、100円玉3枚を入れると自動的に動き出します。
領収書やレシートが発券されないため、プライベートで使用する分には問題はありませんが、もし会社や個人事業者の経費で使用するのであれば、出金伝票が必要になるかと思われます。(実際に税務上の損金対象の可否は、社会通念上を踏まえ各々の使用状況を前提に変わってくるかと思われます。)
損金対象を前提に、消費税は原則として帳簿及びインボイス(消費税法上、消費税額や税率等一定の事項が記載された請求書や領収書等を適格請求書と言い「通称インボイス」と言います。)を保存することで仕入税額控除が出来ます。
(消費税計算で、売上に係る消費税額から差し引くことが出来る消費税相当額を仕入税額控除といいます)
今回は、インボイス(レシート等)が発券されないため、インボイスの交付を受けることが困難な場合の特例(自動販売機特例)に該当します。
詳細は以下の通り(国税庁インボイスQ&A 問104抜粋及び筆加)。
適格請求書等保存方式の下では、帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件とされます。
ただし、請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、次の取引については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。
① 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
【公共交通機関特例 例、JRの切符】
② 適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引(①に該当するものを除きます。)
【入場券等回収特例 例、幕張メッセの展示会入場券】
③ 古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物(古物営業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
【古物商特例 例、ブック○○が一般の方から買い取る書籍】
④ 質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物(質屋を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の取得
【質屋特例 例、質屋へ預けた物品の返済期限切れ「質流れ」】
⑤ 宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物(宅地建物取引業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
【宅地建物取引業特例 例、不動産屋が個人から買取】
⑥ 適格請求書発行事業者でない者からの再生資源及び再生部品(購入者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
【資源回収業特例 例、鉄屑回収業者が個人から買取】
⑦ 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等
【自動販売機特例 例、飲料水の自販機購入】
⑧ 適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
【郵便局特例 例、郵便局で購入する切手やはがき】
⑨ 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)
【出張旅費特例 例、上記記載そのまま】
上記特例を適用している旨を帳簿上に記載することで、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。
更なる具体的説明は、国税庁のインボイスQ&Aの問105以降にも記載されていますので、興味がある方は国税庁のHPでご確認下さい。
インボイスを含め、消費税法上の取扱いは複雑さを増しており、正しく理解し適切に処理を行うことはかなり難しい状況です。
税金を納める納税者や実質的な負担者から見ると、国等がより一層の説明や簡便的な処理方法へ変更することで、巷にあふれている消費税に対する誤解や偏見が少なくなるかと思われます。
消費税法30条7項 仕入れに係る消費税額の控除
消費税法施行令第49条1項 課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿等の記載事項等
消費税法施行規則15条の4 請求書等の交付又は提供を受けることが困難な課税仕入れ
国税庁軽減税率・インボイス制度対応室
消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A【令和7年4月改訂】
問104 帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合