No.165変化を楽しむ
2025.05.07

最近、これまでとは少し異なる業務に取り組む機会があり、仕事における変化について改めて考えるようになりました。
新しい業務に取り組む際、多くの人は抵抗感を覚えるものです。私自身も、普段と異なる業務を担当すると時間がかかり、ミスも増えてしまうことがあります。そうした変化に、どのように向き合うべきかを考えてみました。
まず意識しているのは、「業務の目的を明確にすること」です。たとえば、申告書の作成と提出が目的であれば、そこに集中します。目的が明確であれば、目的外の作業に気を取られることなく、本当に必要なことに集中できるうえ、記憶にも定着しやすくなります。
また、目的は一つに絞る必要はありません。申告書の提出に加えて、「顧客と円滑にコミュニケーションをとる」「資料を見やすく整える」といった複数の目的を意識することで、業務全体への理解がより深まると感じています。
次に大切なのは、すぐに行動に移ろうと焦らず、時間をかけて学ぶことです。既存の知識や先入観にとらわれず、初心にかえって新たな情報を柔軟に吸収する姿勢が必要だと思います。外形的にシステムや制度を導入しても、実際にそれを活かす人が学び、適応しなければ、本質的な変化は起こりません。本やネット、動画など学び方は様々ですが、いずれにしても「自ら学ぶ」意識が不可欠だと実感しています。
とはいえ、業務内容を変えることは簡単ではありません。私自身、仕事を通じて強く感じるのは、人は最初に携わった仕事の影響を非常に大きく受けるということです。営業、開発、製造など、最初の業務内容は人それぞれですが、長年同じ仕事に固執してしまったり、自分の業務以外を「仕事」と認めないような態度を取ったりする人も少なくありません。
これまでの知識や経験は確かに貴重ですが、過去を客観的に見つめ直し、新たな業務に柔軟に活かしていくことが大切だと考えています。
異なる業務に取り組むことは困難を伴いますが、一方で大きなメリットもあると感じています。
以前勤務していた職場では、業務手続きの改訂が毎年行われていました。法改正に対応するための必要な変更が大半でしたが、なかには用語の言い換えだけといった、影響の小さい変更も含まれていました。当時の私は「意味のない変更」と捉えていましたが、今では違った見方をしています。変化のない環境に留まっていると、自分自身の能力や技能も徐々に衰えてしまうと気付いたからです。
ダーウィンの有名な言葉に、「生き残るのは最も強い者でも賢い者でもなく、変化できる者である」とありますが、まさにその通りだと思います。
さらに、普段とは異なる業務に携わることで、自分とは異なる役割を担う他者への敬意や共感をより深めることもできると感じています。
変化を恐れず、積極的に楽しむこと。初心にかえりつづけて、これからもその姿勢を大切にしていきたいと思います。