No.129NISA制度の改正
2023.05.25

今回は、令和5年度税制改正のうち、令和6年1月1日から改正される「NISA制度の拡充・恒久化」を取り上げたいと思います。
まず、現行のNISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」の2つがあり(ジュニアNISAは未成年者版のため省略)、どちらも上場株式や投資信託の配当や譲渡益に対する課税が非課税とされる制度です。
「一般NISA」:年間120万円までの投資について、投資後5年間の配当や譲渡益が非課税とされます。最大600万円の投資まで非課税とすることができます。
「つみたてNISA」:一定の投資信託に対する年間40万円までの投資について、投資後20年間の配当や譲渡益が非課税とされます。最大800万円の投資まで非課税とすることができます。
ただし、上記2つの制度は同じ年に併用することはできませんので、毎年どちらかを選択する必要がありました。
それが来年からは、併用が可能となって以下のように拡充されます。
「成長投資枠」:年間240万円までの投資について、無期限で配当や譲渡益が非課税とされます。
「つみたて投資枠」:一定の投資信託に対する年間120万円までの投資について、無期限で配当や譲渡益が非課税とされます。
保有限度額は2つ合わせて1800万円(その内、成長投資枠は1200万円が限度)で、譲渡した場合はその分の当初投資額だけ保有限度額が復活します。
「新しい資本主義」、「資産所得倍増」を実現するため、年間の非課税投資限度額が120万円または40万円から360万円と3倍以上に増えます。
これを機に、老後の資産形成等のためにNISAをはじめてみてはいかがでしょうか。
なお、現行NISAは新制度とは別枠で残りますので、来年1月1日からの新制度開始を待たずに今年から現行のNISAをはじめてもよいと思います。