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No.127空き家と空き地、誰のもの?

2023.05.02

空き家と空き地、誰のもの?

日本の人口は平成20年をピークに減少し続けており、令和4年11月1日現在では1億2491万3千人で、前年同月に比べ53万1千人減少しています(「総務省統計局資料」による)。特に、15歳未満人口は同比28万8千人減少、15~64歳人口は同比24万4千人減少し、一方で、65歳以上人口ほぼ横ばいとのことです。

こうした少子高齢化・人口減少によって、今後日本では労働力不足や経済の低迷、社会保障費、医療費の増大など様々な問題が生じることが予測されています。

その問題の一つに、空き家、空き地の増加もあります。
2020年度に国土交通省が行った調査(地籍調査)によると、所有者不明土地の割合は九州本島の大きさ程の国土の24%にも達し、また、所有者が不明となってしまった原因は、「住所変更登記の未了 33%」より「相続登記の未了 63%」の方が圧倒的に多いそうです。

今後も高齢化による相続件数の増加により、この「相続登記未了」の土地が増えることが懸念され、自然災害のリスクや治安の悪化、荒廃化による景観の低下など周囲に様々な不安定な要素をもたらすことが危惧されています。

その予防と対策として、国は様々な制度を打ち出しました。
以下、代表的な制度を列挙していきます。

① 登記がされるようにするため「不動産登記制度の見直し」
・令和6年4月1日施行 相続登記の申請の義務化
・令和6年4月1日施行 相続人申告登記
・令和8年4月までに施行 所有不動産記録証明制度
・令和8年4月までに施行 住所等変更登記の申請の義務化
・令和8年4月までに施行 他の公共機関との情報連携・職権による住所等の変更登記

② 土地を手放すための制度
・令和5年4月27日施行 「相続土地国庫貴族制度」
 相続等によって土地の所有権を取得した相続人が、法務大臣の承認により、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度。申請が認められない対象外の土地として、建物等がある土地、境界が明らかでない土地、担保権等が設定されている土地などがある。また、申請時に審査手数料を納付し、承認を受けた場合は負担金(10年分の土地管理費相当額)を納付する必要がある。

③ 土地利用に関連する 民法のルールの見直し
・令和5年4月1日制移行 土地・建物に特化した財産管理制度の創設
・令和5年4月1日制移行 共有制度の見直し
・令和5年4月1日制移行 遺産分割に関する新たなルールの導入
・令和5年4月1日制移行 相隣関係の見直し

詳細は、各制度の資料などをご確認ください。

これらの制度によって、放置された空き家や空き地が整備されていくことを願います。

【参考】
【全体版】令和5年4月以降、不動産に関するルールが大きく変わります! - YouTube
法務省
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00505.html