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No.117保険適用された不妊治療のその後…

2022.11.04

保険適用された不妊治療のその後…

2022年4月から、不妊治療が保険適用となりました。不妊に悩むカップルにとっては吉報以外の何物でもなかったと思います。一回何十万もかかる体外受精も、窓口負担が3割で済むのですから、金銭的な問題で諦めていてもチャレンジに踏み込んだカップルは多いのではないでしょうか。

保険適用が始まってから半年。少子化対策の一環として始まったこの政策は成功したのでしょうか。

私はこのたび第二子を授かることができました。2022年6月以降に始めたので保険適用後。しかも顕微授精です。もちろん採卵数や凍結卵の数によって金額は異なりますが、採卵一回、移植二回で30万円ほどはかかっていると思います。

窓口負担で30万円ですから、保険適用前なら100万円以上といったところでしょうか。第一子の時は体外受精までいきませんでしたが、それでも50万円近くかかりました。金銭面の負担は確かに軽減されたと私自身も思っています。

しかしただでさえ待ち時間が長い不妊外来。保険適用によりハードルが下がったためか、患者数が増加したそうです。そのため待ち時間も増え、患者さんの精神的な負担は増えたと思います。

さらに保険適用ができる注射や薬の種類は限られています。保険適用前は自分にあった薬を使えても、適用後はその薬は使えないといったことはしばしば。その薬のみ自費で払いたくても、保険診療と自費診療は混合できないため、すべてが自費扱いにされてしまいます。また不妊治療が保険適用になったことにより、今までもらえていた助成金は廃止されました。自費診療となるとかなりの家計圧迫になることは目に見えています。

保険適用できる回数も制限があります。
制限内に授かれたカップルにとっては良い制度ですが、不妊に悩む人全員にとって良い方向に向かったかといえば決してそうではないと思います。また、妊娠したらゴールではありませんし、出産一時金をたった5万円増やしたからといって子供が増えるわけはありません。
需要と供給がずれてばかりの政府の少子化対策が、まともに機能してくれることを祈るばかりです。