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No.114私の給与は〇〇ペイで!?

2022.08.25

私の給与は〇〇ペイで!?

2021年1月より、厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会において、「資金移動業者の口座への賃金支払い」について議論が進められています。

貸金移動業者とは、銀行以外で送金サービスを提供する登録事業者のことで、スマートフォン向けの決済サービスなどを提供しており、今年6月時点で84社が登録されています。PayPay、LINEPayなど利用されている方も多いのではないでしょうか。

「資金移動業者」の口座に給与を振り込めるリットとしては
・外国人労働者など日本の銀行口座開設に手間がかかる方達への代替手段
・パートやアルバイトなど一時的雇用の方達への支払い手段
として利用することが考えられます。

直近の2022年5月の分科会では、
・使用者(企業側)と労働者の同意のうえで、デジタルマネーで支払いができる。労働者側に強制はしないこと。
・デジタルマネーは、ATMから1円単位で手数料無しで出金できる。銀行口座への資金移動もできるようにする。
などの制度設計が提案されました。

セキュリティ問題などいろいろ課題があるかと思いますが、実現したら、給与の半分は銀行に、残り半分はデジタルマネーで受け取り、便利かもですね。

ところで、労働基準法第24では、労働者の労働の対償として支払われる「賃金」の支払い方法に関するルールが定められています。
「賃金支払いの5原則」といいます。

1.通貨払い
1.全額払い
1.直接払い
1.毎月1回以上の支払い
1.一定期日での支払い

「通貨」とは、法律の定めによって国内に流通する貨幣のことをいいます。つまりこの定めでは、日本円かつ現金で支払うことが定められています。必ず、日本銀行が発行している銀行券もしくは貨幣でなければならないのです!
しかし、労働基準法は戦後間もない昭和22年に制定されたもの。給料日に給与袋をもって家路を急ぐサラリーマンがたくさんいたのでしょうか・・・。

時代は流れ、労働基準法施行規則第七条の二第一項では、労働者の書面による同意を得て、労働者名義の金融機関への振り込みを行うことが可能とされ、昭和40年代後半には現代の銀行振込が主流となりました。
銀行のCD機も同時期に普及していったそうです。いつでもどこでも給与を引き出しできるように。

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