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No.77情報隠蔽!?

2021.01.05

情報隠蔽!?

「情報隠蔽」というと、所得隠しや不正など税務や会計の世界では聞こえが悪いですね。金融でもどこかの銀行員に倍返しされそうな言葉です。

ですが、情報処理の世界では、情報隠蔽(information hinding)は悪い意味では使われていません。

情報隠蔽とは・・・と説明しようと思いましたが、私自身正確な理解はできていないです。詳しい内容はウェブで検索してくださってもらって、概念だけざっくり伝えると何かの機能やツールを使う際に、その機能やツールの中身を構成する複雑なデータや処理方法を隠すことで、使用者側が誤った使い方をしないようにすることです。

単純に例えると、エアコンの電源をつけたいときにリモコンのボタンを押すだけでつき、電源がつくまでの処理過程やどのように信号が行くかについては使用者は知らずとも電源をつけることができます。リモコンの表面にはボタンとカバーがついており、壊れていない限り電子回路がむき出しになっておらず、複雑な仕組みは表面上出ていません。そうすることで使用者側がボタンを押すだけで操作でき、誤った使い方をすることを防ぐことができます。

リモコンの例のように物理的な世界ではこの情報隠蔽の考えは既に広く行き渡っています。車、冷蔵庫、テレビ、エレベーター、自販機等、機能の仕組みをそこまで知らずとも扱えるものが多いと思います。

一方で会計や税務といった情報を扱う世界ではどれだけ情報隠蔽の考え方をもってやり取りできているかを考えてしまいます。税額計算の処理過程をお客様に示す必要があるでしょうか。提示する相手や目的にもよりますし、求められれば提示する必要はあるでしょうが、詳細な情報が誤った経営判断をしかねないことだってあるかもしれません。他方、何も情報を提示せずに計算結果だけ伝えるとなると、それは単なる計算機に過ぎなくなります。

パソコンを相手にして日々仕事をしていますが、税金計算や会計処理をするうえでも単に計算機のように働くのではなく、最終的にその情報がヒトに届けられることを意識して、いかに解りやすく明確に情報を提示できるかを意識して仕事をしています。このように心がけているものの、私自身、時間との兼ね合いもありなかなか完璧な形にはたどり着けていません。お客様によって見方も違うので一般的な完全形というのはないのかもしれません。

取引相手とのやり取りの中で、どんな相手がどんな情報を知りたいか、そしてその情報をどの程度詳細に知りたいか考えることがあります。

会社の社長が過去10年間の損益推移をみたいときに、一つ一つの費用の計算処理過程や基となった数字まで詳しく知りたいかというと、そこまで求めていないと考えられます。逆に計算が合っているか点検してもらいたいときにはそれに応じた詳細な情報を提示するように努めています。

そこでお客様とのやり取りの中でどのような情報を知りたいかを確認していくことが重要と考えています。お客様に合わせた情報のやり取りを行うように心がけています。