048-834-1155

9:00~17:00 ( 土日祝を除く )

No.186令和8年度税制改正 少額資産特例の基準引上げ

2026.03.31

令和8年度税制改正 少額資産特例の基準引上げ

令和8年度税制改正大綱では、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の対象となる資産の取得価額の基準を「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げることが示された。当特例の基準の引き上げは平成15年度改正で創設以来初めてとのこと。
取得価額の基準の引上げは、改正法の施行日以後に開始する事業年度ではなく、施行日以後に取得等する資産に適用される予定。改正法が令和8年4月1日に施行した場合には、令和8年3月31日までに取得等した資産に30万円未満の現行要件が適用され、同年4月1日以後に取得等する資産については40万円未満であれば本特例の対象となる方向のようだ。
「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」について、中小企業者等が、取得価額が30万円未満の少額減価償却資産を取得等して事業の用に供した場合には、損金経理を要件に、その事業年度において取得価額を損金算入できる。器具及び備品、機械及び装置等の有形減価償却資産のほか、ソフトウエア、特許権、商標権等の無形減価償却資産も対象で、中古の資産にも適用できる。
適用を受ける事業年度の少額減価償却資産の取得価額の合計額300万円までが適用限度額となる。

令和8年度税制改正大綱における本特例の改正ポイントは下記の通り
①当特例の対象となる減価償却資産の取得価額を現行の「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げる。
②適用を受ける事業年度の取得価額の合計額300万円までの適用限度額の要件については、金額等の変更はなし。
③常時使用する従業員の数が400人を超える法人は適用対象外(現行は500人を超える法人が適用対象外)
④当改正は令和8年4月1日以後に取得等した資産より施行され、適用期限は令和11年3月末まで3年延長する。
上記④にあるとおり「当改正は令和8年4月1日以後に取得等した資産より適用される」ことから、3月決算以外は事業年度の途中から基準額が変わることになる。
例えば、12月決算法人の令和8年12月期において、施行日が令和8年4月1日の場合、令和8年1月から3月末までに取得等した資産には30万円未満の現行要件が適用される一方、令和8年4月から12月末までに取得等した資産は取得価額が30万円を超過しても40万円未満であれば少額減価償却資産として本特例の対象となる。
なお、個人事業者の所得税の本特例においても同様の改正が行われる予定とのことだ。
 当改正は取得価額の基準が「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられたことにより適用しやすくなった一方、事業年度における適用限度額は300万円のままであるため、損金算入合計額の上限は変わっていない。最近の物価高騰の状況も考えると、個人的には基準額を引き上げたのであれば、適用限度額も引き上げてもよかったのではないかと考える。また、少額の減価償却資産(10万円未満)や一括償却資産(20万円未満)についても基準額が引き上げられることを期待したい。

                                                参考:税務通信3889号「R8改正 少額資産特例の基準引上げは取得ベース適用」