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No.188名義預金について

2026.04.27

名義預金について

相続税の調査で、もっとも多く申告漏れとして指摘される財産をご存じでしょうか。
実は「名義預金」です。
名義預金とは、預金口座の名義は家族になっているものの、実際には亡くなった方の財産とみなされる預金のことをいいます。見た目は家族のお金のように見えても、税務署は“名義”ではなく“実質”を重視するため、相続税の対象になるケースが非常に多いのです。

現在では口座開設時の本人確認が厳しくなり、他人名義の口座を作ることは難しくなりました。しかし、昔は家族名義の口座を簡単に作ることができたため、夫が妻名義や子供名義の口座にお金を預けていたり、妻が生活費を節約して自分名義の口座に貯めていたりするケースがよくありました。こうした預金は、名義だけを見ると家族の財産のように見えますが、実際には「誰が稼いだお金なのか」「誰が通帳や印鑑を管理していたのか」「誰が自由に使っていたのか」といった実態によって判断されます。

名義が家族であるため、被相続人の残高証明書には載ってきません。そのため、相続税の申告で漏れてしまうことが非常に多く、税務署が調査で最初に確認するポイントでもあります。調査では、被相続人の口座から大きな出金があれば、そのお金がどこへ移ったのかを追跡しますし、逆に相続人の口座に大きな入金があれば、そのお金の出所を確認します。さらに、相続人に対して名義預金に該当するものがないか丁寧にヒアリングし、申告漏れを未然に防ぐことが重要です。

では、名義預金と判断されないためにはどうすればよいのでしょうか。国税不服審判所の判例では、預金の帰属を判断する際に「管理・運用状況」「原資の出どころ」「贈与の事実の有無」を総合的に見るとされています。これを踏まえると、次の2つのポイントが特に重要になります。

まず一つ目は、贈与の事実を明確にしておくことです。例えば、夫が妻や子供にお金を渡す場合、贈与契約書を作成しておくと「これは贈与である」という証拠になります。贈与税の申告が必要な場合は適切に申告しておくと、より確実です。未成年の子供への贈与であれば、親権者の同意も必要になります。

二つ目は、通帳や印鑑、キャッシュカードを名義人自身が管理し、実際に使える状態にしておくことです。形式的に名義だけ変えても、通帳を親が持ち続けていたり、親が自由に出し入れしていたりすると、実質的には親の財産と判断されてしまいます。名義人が自分で管理し、必要に応じて引き出しや入金ができる状態であることが大切です。
この2つを満たしていれば、名義人の固有財産として認められやすくなります。ただし、これらの対策は生前に行わなければ意味がありません。相続が発生してからでは、名義預金と判断されるリスクを避けることはできませんし、後から否認されると多額の追徴課税が発生することもあります。
名義預金は相続税調査で最も多く指摘される項目です。だからこそ、早めの対策が大切です。生前のうちに整理しておくことで、相続人の負担を大きく減らすことができます。

名義預金を含め、生前の相続税対策をお考えの方は、ぜひ朝日会計社にご相談ください。専門家として、実態に合った最適な対策をご提案いたします。